丸山商店への思い
昭和5年丸山商店が誕生し、昭和43年に丸山商店は無くなり、丸山繊維産業㈱が始まった。
もともとは蚊帳の商店、そこで蚊帳縫製を行い、昭和35年に蚊帳生地生産ができる工場を求め天理へ。
会社の流れを考えると、会社の礎は商店経営、メーカーではなく経営の素地が蚊帳の販売にあった。
昭和40年に蚊帳は消滅し、下請け製造の寒冷紗の一貫生産工場として半世紀が経過した。
50年もの間、同一品番にて生産ができたのも、ビニロン糸の素材力があってこそ。
ビニロンは国産初の夢の合成繊維、帝人テトロンより歴史は古い。
素材力は一番メーカーにとって力強く、ありがたい。
ただ、素材力が優れている分、それに甘やかされて新規開発がおくれる。
我々染織メーカーもデリバリーにお追われながら、徐々に異素材が台頭し、シェアーを奪われることに。
時代時代に応じた経営は、中小企業のテーマでもある。
今一番感じていること、それは売上の業態バランス。
今の中小企業は作るだけでは成立しない。
メーカーからの受託業、商社への売買業、卸売業、輸入販売業、小売業、ネット通販業、OEM等、それぞれの売上バランスをどう保つか?
どこにも偏らない経営バランスをどう保つか?。
新しい蚊帳メーカーの生き残る道を模索し続けるしかない。
こんなことを考えていると、今は商店経営の時代に戻っているような気がしてならない。
上がって、下がって、考えて、先人の教えを想いながら、次のステップを模索している。